紙や書類って勝手にどこかに行きますよね?本や雑誌の間に挟んだのか?もしかして、別の場所?いや、捨てた?無いかもしれないものを探す時間の無駄を分かっているから、精神的に辛い。
実は整理の切り口を変えると、紙の書類の整理が爆速になります。立ち上げと維持もルールを守れば日常生活の中でできます。つまり簡単です。
私は「押し出しファイリング」という整理法を22年継続して、とてもオススメな整理法だと実感していますので、ご紹介します。コツは「分類しない」「時間軸ソート」です。
押し出しファイリングのやり方
始め方と運用の方法は以下の通りです。
- 角2封筒(A4が入るサイズ)を用意します
- 書類をひとかたまりずつ封筒に入れます
- 封筒の裏に中身のタイトルや日付を書きます
- 本棚に並べます(平積みダメ)
- 1~4を繰り返し、ここ以外に紙は絶対に置かない
- 追加、使用した封筒は左端に戻す
- 使われない封筒は右にずれていく
- しかるべきタイミングで「捨てる」「保存する」を決める
ざっくりこんな感じです。ポイントは50音順、カテゴリなどで「分類しない」ことです。
角2封筒に書類を入れていく
仕事で使用する書類はほぼA4なので、そのまま入る角2封筒を用意します。イベントや打ち合わせなどでも封筒が用意されていますので、そのまま使用します。
子供がいる場合、学校から来る書類はB5や、A3などサイズが乱れますが、封筒はA4の角2で統一します。
保証書、カード、契約書、クリアファイルなども角2封筒に入れます。昔はフロッピーディスクも入れていました。
封筒の裏にタイトルを書きます
封筒の中身がわかるタイトルにします。重要書類やプロジェクト群などがあれば、特定の色を塗ったりします。
本棚に並べていきます
平積みは絶対にダメです。立てて並べていきます。デジタル化が進み、私の現在の幅は50センチくらいです。最大で90センチまで伸びたことがあります。
使用して戻す封筒は左端に戻します
元の場所に戻してはいけません。左端に戻します。運用後に新規で追加する封筒も左端に並べます。
探すときは左端から
立ち上げ当初はあまりメリットを感じませんが、運用するほど、左側ですぐ見つかります。左から順に右端まで進んでも、1~2分でサーチできます。ここにしか書類がないのですから。
時間で記憶している事が多いので「この書類よりは最近触った記憶がある」という事もあるので、実際は右端に到達する前に、もう一度左端からチェックしたりするので、アクセスタイムは気持ちよく向上します。
始めた人が思うこと「捨てる書類がいっぱい!」
押し出しファイリングを開始する人にあることが、「捨てる紙が多い!」という事です。本体はないのに、保証書だけ残っているパターン、同じPDFを印刷しちゃっていたパターン、古いバージョンの書類など。バンバン捨てていきましょう!
分類する必要がないので、「これはどれに分類だ?」と考えなくてよいので、とても気持ちが良く、整理のスピードが低下する事もありません。
「使う」「捨てる」のフィルターが同時にできる
運用していくうちに時間軸で「自然に」使う書類、使わない書類が同時にソートされていきます。右端は処分か?というと、2年に1回必ず使う書類だったりしますので、右端の神様クラスタと中間の境目あたりが処分対象になることが多いです。処分するか、段ボールで保管するか、そのチェックの間隔はどうするか?は各々やり易い決め方でいいです。
「ここにない」と分かれば脳はスッキリする
「この辺にあるはずなんだけど」という思考は脳のリソースを地味に削り続けます。
「書類は必ずこの本棚にある」と探し、仮に見つからなくても「この本棚になければ、ない!」と次のアクションに移ることができるのも、押し出しファイリングのメリットのひとつですね。
唯一のデメリット
物理的・精神的にもプッシュしてくれる押し出しファイリングの唯一の欠点は、集団・組織での整理には不向きという事です。個人のデスクでの活用には最強ですが、職場では不特定多数が触れるので、時間軸のソートがうまく活用できません。
組織にはカテゴリ別や年代別、50音順、図書館分類法(日本十進法:NDC)などが整理法ではベターです。
押し出しファイリングの発表は1993年 パソコンHDD容量80MB
押し出しファイリングの初登場は野口悠紀雄さんが「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書) で紹介していました。私がこの本を読んだのは2000年、発行は1993年。Windows95が発売される前!
野口さんのPCのHDD容量が80MBとあります。GBではなく、MBって。800MBでもないです。本当に30年で激しい進化をしてきたのです。現在は手のひらのスマートフォンにTBの容量だったり、クラウドサービスもありますからね。
押し出しファイリングは章の一つに過ぎませんでしたが、大きな反響を受け、大幅改訂で2003年に「超」整理法1 押出しファイリング (中公文庫) として発売されました。
【まとめ】アナログ書類整理は押し出しファイリング
個人での運用に超特化した押し出しファイリング、早速はじめてみましょう。裸の紙が散乱している場合は各2封筒を多めに用意して取り組みましょう。最近は100円均一にもありますね。
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