電子書籍の衝撃by佐々木俊尚-もう12年前の本、当時を「答合わせ」感覚で振り返る

Kindle

佐々木俊尚さんの「電子書籍の衝撃」を紹介します。

出版は2010年4月。もう12年前です。原稿を書いている時はまだiPadが発売されてなく、日本でiPadが発売されたと同時に出たタイムリーさを覚えています。

kindleの記事群を書く際に「そういえば読み返そう…」とkindle Unlimitedで読みました。電子書籍が今後どうなっていくのか?を音楽のデジタル化が通った道をなぞるように説明しています。

4つのピース

電子書籍がインフラとして定着するためには4つのピースが埋まる必要があります。

4つのピース
  1. 電子書籍を読むのに適したデバイスが普及してくること
  2. 購入、読むための最適化されたプラットフォームが出現してくること
  3. 有名作家か無名アマチュアかという属性が剝ぎ取られ、本がフラット化していくこと
  4. 電子書籍と読者が出会える、新しいマッチングモデルが構築されてくること

この4つが埋まれば電子書籍の円環が完成して、新しい本の生態系が完成すると。12年後の2022年の時点で円環は完成していますね。

「kindle VS iPad」の懐かしさと再発

2022年現在は「コンセプトが別のデバイス」と認識しているkindleとiPadですが、当時は初代iPad発売前でした。

「kindle VS iPad」という構図が世間にありました。誰も見たことのない『タブレット』をどう使うのか分からないので、「iPadは電子書籍リーダー」だと。

世間には「appleがiPadという電子書籍リーダーを出す」という風潮がありました。あなたも2010年のiPadに「不思議の国のアリス」の絵本アプリ入れたでしょ?

やがて、iPadはタブレットとして使われ始め、この論調は収まっていました。

しかし電子書籍リーダーと筐体サイズの近い、iPad mini6が発売されると10年以上前の「kindle VS iPad」の再発がみられました。

私からすると、「トラクターにGPSが付いて生産性が上がった?こっちは小型化したスポーツカーだ。やっぱスポーツカーの方が速い!」っていうのをYouTubeでやっている感じで微笑ましいです。

詳細は以下の記事をご覧ください。

≫ 【買う必要ある?】スマホで読めるのに電子書籍リーダーを買う理由【結論:kindleを買おう!】

iTunesが音楽業界を変えたように、本も変わる

本も音楽と同じ道を歩く、という主張でプラットフォームビジネス、権利、契約などを現在進行形で解説しています。

音楽の道でAppleがやった戦略を、今度はAmazonがマネして本の道で仕掛けた。しかし、Amazonのホールセール契約を覆させたAppleのエージェント契約戦略など。

ハードな交渉のノンフィクションは2022年でも読んでいて楽しいですね。

佐々木さんは「音楽が定額で聞き放題になるウワサもある」とありますが、現在はもっと進んで、「CM付きだけど無料で聞き放題」になっていますね。

日本の出版業界を批判

出版業界の「最近の若者の本離れ」という主張をデータと「ケータイ小説」で一蹴しております。

「ケータイ小説」ブームでしたね。

「本を読まなくなったのは50代で、若者の読書量は増えている」と。

それに加え日本の出版業界を痛烈に批判しています。これは書き手と読み手に不幸だ、そこに電子書籍が入って突破してくれる……。と。

30代以降の人には「答合わせ」として

30代以降の人には懐かしい内容なので、時代の「答合わせ」として楽しめます。

もう少し若い人には、過去を観ることで未来を予想する材料を揃える感覚で読むと楽しめるでしょう。

8/14追記:佐々木さん本人が記事を紹介くださいました!ありがとうございます。記事PVが跳ねあがっております。

佐々木さんのツイートから来たあなた、ぜひ手に取って下さい↓

≫ 電子書籍の衝撃

≫ Kindle Paperwhite シグニチャー エディション

≫ 2021 Apple iPad mini

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