沖縄の断水って、なくなりましたよね。1994年が最後の断水なので30年近く実施されていません。
長いあいだ、断水をしていない理由を知っていますか。
断水が実施されていない理由は「降水量が増えた」ということではなく、沖縄の水需給体制が劇的に改善されているからです。
実は沖縄北部の5基のダムは地下でつながって、全体で運用しているのです。
この記事では2018年に沖縄北部ダム統合管理事務所から、ダム博士として認定された私が【北部5ダム統合運用】を解説します。
この記事を読めば
- インフラ分野で頑張っている人への感謝
- ダム単体だけでなく、複合的な楽しみ方
- 子どもの自由研究への「知識・体験の原液」提供
を獲得することができます。
劇的に改善されている水需給体制

私が中学生の頃まで断水がありました。ウォーターサーバーどころか、ミネラルウォーターすら普及していなかった当時、蛇口をひねっても水が出ない、トイレが流せなくなるというのは、不満を通り越して、恐怖でした。
ワーストだった昭和56(1981)年~57(1982)年は1年間、取水制限が続きました。
私は1~2才で、母は妹を妊娠中でした。布オムツの洗濯やミルクの調乳など、当時の子育て世代は本当に大変だったでしょう。両親には感謝しています。
年間降水量はほぼ変化なし
30年近く断水がない理由に「降水量が増えた」は、正しくありません。
社団法人水源地環境センターによると年間降水量は2,000mmで推移しています。
ワーストだった昭和56(1981)年の年間降水量は1,524mmでした。
平成27(2015)年の年間降水量は1,425mmと、取水制限ワーストの1981年よりも少ない降水量ですが、取水制限は実施されていません。
出典:気象庁 各種データ
沖縄北部のダムは地下で繋がっている
沖縄の水事情が劇的に改善された大きな要因は統合運用です。
つまり、沖縄の5基のダムは地下で繋がっているのです。
- 辺野喜ダム
- 普久川ダム
- 安波ダム
- 新川ダム
- 福地ダム
水は辺野喜(べのき)ダム→普久川(ふんがわ)ダム→安波(あは)ダム→(新川(あらかわ)ダム)→福地(ふくじ)ダム
と流れています。
「取水ダム」と「貯留ダム」に役割分担されている
貯水容量の小さい辺野喜ダム、普久川ダム、新川ダムを「取水ダム」
貯水容量の大きい安波ダム、福地ダムを「貯留ダム」
として役割分担しています。
- 取水ダム…下流のダムへ流す
- 貯留ダム…上流からの流れを貯める
つまり統合運用でみると
ビッグボスの福地ダム、セミボスの安波ダムとなります。
なぜ統合運用にするのか?
統合運用にする理由は以下の3つです。
- 地理的条件で大規模なダムが作れず、小規模のダムが複数ある
- 本州に比べ、勾配が急で小河川なので短時間で海にながれてしまう
- 単独で5基のダムを運用する場合と比べ統合運用だと20%水量が増える
5基のダムを連絡して「1つのダム」として運用する
つまり、小さな取水ダム(辺野喜ダム、普久川ダム、新川ダム)からの無効放流を小さくし、地理的条件に厳しい沖縄で水需給体制を安定させるため、統合運用をしているということです。
統合運用で劇的に改善され、30年近く断水がなくなっています。
記念ダムカードが発行されました(激レア)
2018年に北部ダム統合運用開始30周年記念ダムカードが発行されました。限定配布だったのでレアカードに分類されるでしょう。


おそらく次回は2023年に35周年が発行されるでしょうか
沖縄北部ダム群の呼称について
本記事で紹介したダムの他に、大保ダム、羽地ダム、漢那ダム、金武ダムの4基を加えて「沖縄北部9ダム」と呼称されることが多いです。
図にすると以下のようになります。
- 辺野喜ダム
- 普久川ダム
- 安波ダム
- 新川ダム
- 福地ダム
- 大保ダム
- 羽地ダム
- 漢那ダム
- 金武ダム
ダム別の記事も投稿次第リンクしていきますのでお楽しみに!
まとめ
ダム単体の見学で楽しめるようになったら、次のステップで統合運用を意識しながら見学すると、より楽しめますね。
インフラに関わっている人々への感謝も生まれます。
子どもの自由研究でインフラをテーマにする際の原液として、大人が提供できる知識や見学といった経験のキッカケにこの記事が役立ては幸いです。
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